そうですね。激しい企業間競争の時代を迎え、企業の競争力を高めるためにどのようなシステムを構築すればよいかが課題になっています。そのような背景のもと、効果的なシステムを短期間で構築するために、コンサルティング会社への依頼が発生している状況です。
その結果として、ITコンサルタントの募集が多数出てきているというのが現状です。特に、独立系のコンサルティング会社は、様々な言語・プラットフォームの経験を持つ人材を幅広く求めており、SI企業やパッケージベンダーに比べて採用希望数も多いです。
しかし、求人ニーズは強いものの、各社の採用基準は高く、希望する方には狭き門です。人気の高い独立系コンサルティング会社への転職では、なりたい方が10人いても、実際になれるのは1人程度というのが現状です。
ひとつは、希望条件に対して、経験・スキル・能力が伴っていないことが挙げられます。ITコンサルティング会社が求めるのは、ある言語・プラットフォーム分野についての専門知識、システム企画・構築の現場経験、それを相手に伝え納得させるための論理性・プレゼンテーション力です。
コンサルティング会社のITコンサルタントに求められるのは、相手の経営や業務の状態を分析し、問題の本質を明らかにして、情報戦略の提案をおこなうことです。単に技術力やシステム開発・構築の経験が評価されるものではありません。
プロジェクトマネージャーの職務は、プロジェクトが成功するために、品質・納期・コストを管理することです。いわば、大工の棟梁のようなものです。一方でのコンサルタントは、相手の課題を把握し、問題点を分析・抽出し、解決策を提示するのが仕事です。具体的なシステムには踏み込まないことが多いです。
したがって、優秀なプロジェクトマネージャーとして現場を指揮してきた方が、一流のコンサルタントになれるかというと、必ずしもそうではありません。ITエンジニアのキャリアプランとして、「SEからプロマネ、プロマネからコンサルタント」とよく言われます。しかし、プロマネとコンサルタントの間には、仕事の質が違うというキャリアの壁があることをご認識いただきたいと思います。
ただし、同じコンサルタントでも、どこまでシステムに踏み込むかは、企業によって異なります。あるSI企業では、ITコンサルタントというポジションでも、システムの企画まで踏み込むこともあります。したがって、求人企業が求めるコンサルタント像が、自分の経験・スキル・キャリアプランと合っているかどうかをきちんと考えることが大事です。
ITコンサルティングでは、変化の激しい最先端の領域での成果が求められます。その仕事はハードワークであり数ヶ月という短いスパンで、経営課題とIT上の課題の分析・改善・提言をやり続けることが求められます。プレッシャーと業務量は、非常に大きなものです。したがって、ITコンサルタントとして何を得たいのかを明確にしておかなければ、個人の成長意欲を持続することが難しいと思います。
また、ITコンサルタントとして働いてみて、経営コンサルタントへの転身や、事業会社への転職というご希望も耳にします。経営コンサルタントへの転身であれば、ITの専門性だけでなく、本業の経営コンサルタントと対等に戦うための経営知識が必要です。また、事業会社への転身の場合、ニーズの高いのはベンチャーです。自分自身が経営者の一員として、泥まみれになって事業を進めることが求められます。
ITコンサルタントへの転職は、目先の年収や漠然としたあこがれではなく、綿密な自己分析と下調べの上で覚悟を決めて飛び込むものとご認識いただきたいです。