そうですね。それに伴って、日本の企業統治のスタイルが変わってきていると感じています。コーポレートガバナンス、内部監査、リスクマネジメントなど、より欧米型の企業統治のスタイルへと変容しています。その結果、求人においても、従来型の経理・財務職の延長ではなく、より欧米型のスタイルに対応した方が求められる傾向が出てきています。
例えば、ベンチャー企業CFOの場合ですと、単なる経理・財務部門の責任者ではなく、会社の中で経営的な部分に携わりながら、管理本部全体を指揮できる人材という、企業統治全てに携わる人材が求められています。特に、リスクマネジメントの部分ですね。日本のベンチャーの経営者の方は、「前へ前へ」というエネルギーが強い方が多いです。そのため「守り」の部分であるリスクマネジメントやIT化の部分は、あまり関心が高くない方も多いです。そう言った点についても、経営の一員の立場から変革の必要性を説き、さらに実際の行動に落とし込める方が必要とされています。
先日、あるベンチャー企業の採用で、こんなことがありました。CFOとして、3名の方が候補に挙がりました。おふたりは、経理畑が長い経理のプロフェッショナル。もう一人は、外部から企業の経営アドバイスをおこなってきたコンサルティングファーム出身の方です。社長との面接の結果、コンサルティングファームの方が採用となりました。経理畑出身の方々も素晴らしいご経歴でしたが、社長のお話では「経理のプロとしての経験・成功体験が、変革を担うにあたっては邪魔になる」ということでした。つまり、CFOを目指すならば、単に経理スキルだけではなく、変革する力、人間力といった部分も求められるのです。
外資の場合は、日系企業と大きく違う点があります。本社機能は海外ですので、感覚としては「子会社」的な位置づけのところが多いです。そのため、日系企業と違って求められるのは「レポーティング」の能力です。『日本市場が今どうなっているのか?』『日本法人の置かれている現状は?』などを、分析し、本社へ報告する力が求められます。
また、外資の場合には、早くから外資の風土になじんだ方がいいですね。上記のように、仕事の進め方や考え方が日系企業とは違うためです。その意味では、外資を目指すのであれば、30代の半ばくらいまでに、外資のカルチャーで働くことです。ただ、それ以上の年齢であっても、例えば海外現地法人で働いたなど、近いカルチャーでの経験があれば可能性はあります。
CFOや経理・財務の責任者を目指すにあたって大事なことは、自分自身がどうありたいかというキャリアのゴールを考えることです。欧米型のCFOであれば、管理本部全体を指揮する能力、経営に携わる意識や考え方に加えて、社長・役員と的確なコミュニケーションがおこなえることも大事です。幅広い能力が要求されるがゆえに、転職後に悩まれるケースも少なくありません。したがって、転職にあたって、自分がどこを目指していて、転職を通じて何を実現したいかを明確化しておくことが大切です。私たちが面談をおこなう際にも、そこまで踏み込んでお伺いするようにしています。
求められるパフォーマンスや責任は大きいだけに、その分やりがいや達成感の大きな仕事であるとも言えるでしょう。